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2005年8月 1日 (月)

余談(カートン~単位~日本語)

カートン 

タバコを買うときよく使用される外来語の単位。

「1・2カートン」は「ワン・カートン」「ツー・カートン」と発音するほうが「いちカートン」「にカートン」と言うよりしっくりくる。

「3カートン」は「さんカートン」と発音するとしっくりくるが、「スリー・カートン」もぎりぎり可。しかし「4カートン」以上になると「フォー・カートン」「テン・カートン」「ワンハンドレッド・カートン」ではなく「よんカートン」「じゅっカートン」「ひゃっカートン」と発音するのが普通。

これはワン、ツーまでは完全に日本語に組み入れられており、スリーが限界上、しかしフォー以上は外来語との認識があり気取った感じがするためと考える。

車のエンジンの場合、「V6」「V8」「V12」気筒は各々「ブイろく」「ブイはち」「ブイじゅうに」だが「V10」のみ「ブイ・テン」と発音するらしい。これはワン、ツーとならび、テンも日本語に組み入れられているためと考える。

同じ外来語でも「ケース」の場合、「ひとケース」「ふたケース」と発音し、「ワンケース」「ツーケース」でもおかしくはないが稀。これは「カートン」は外来語と捉えられており「ケース」は日本語に完全に組み入れられているためと考える。

石原都知事が指摘したように、(数を数えられないと言うのは言いすぎだが)確かにフランス語の数の数え方は一見ややこしいい。しかし日本語の数の数え方、ましてや単位に関する語彙・発音はその比ではなく、外国人がマスターするのは非常に困難と考えられる。フランス語を翻訳する場合、いちいち単位を考える場合がある。(話はそれるが、CMの「1入院につきXX円」は「入院1回につきXX円」の誤りであろう)。

なお、フランス語の難解さは数の数え方などではなく、レトリック、冠詞、少数の単語への意味の重複、態、基本的なところでは性などであると考える。

本題に戻り、数の数え方を以下ほんの一例挙げてみる。

例:瓶の数え方

 1 イッ ポン(ip-pon)

 2 ニ ホン(ni-hon)

  3  サン ボン(san-bon)

  4 ヨン ホン(yon-hon)

  5  ゴ ホン(go-hon)

  6 ロッ ポン(rop-pon)

  7  ナナ ホン(nana-hon)

  8  ハッ ポン(hap-pon)

  9  キュウ ホン(kyu-hon)

  10  ジュッ ポン(jup-pon)

言語学者の方が何らかの法則を見つけているかも知れず、以下はあくまで私見ではあるが、実は法則などはっきり定義さえされていないのではないのだろうか。

・「いち」「ろく」「はち」「じゅう」など最終子音が[ch]、[k]、[j]などの場合にponと発音するのか(促音になる)との解釈ができそうだが、「きゅう」[k]にはあてはまらない(「きゅっぽん」とは言わない)。「きゅう」は語尾を延ばすからという説明は「じゅう」も同様のため適用できない(「じゅうぽん」とは言わない)。

・「さん[n]の場合、「bon」と濁音で発音するように思える。しかし、濁音、促音という定義の仕方では「軒」の場合、「san-gen(ken)」「yon-ken」となり、法則に不一致が生れる。

発音のみならず、単位の語彙が豊富である(一つの名詞に一つの単位を適用しなくてはならない。また、同じモノを指していても、文脈・用途に応じて単位が変わる。)。

例:雑誌→1誌(種類を指す場合)、1冊・1部(数を指す場合)

  新聞→1紙(種類を指す場合)、1部(数を指す場合)

  単行本→1冊(種類を指す場合)、1冊・1部(数を指す場合)

熊、馬は1頭、2頭と数え、犬、ネコは完全に1匹、2匹と数える。しかし、ヤギ、ヒツジの場合、匹、頭いずれも一般的に使用されている。これはおそらく、人間より体が大きいか小さいか、あるいは持ち上げられるか否かを基準に感覚的に判断しているものと思われるが、もし、ふと外人に区別の基準を尋ねられても瞬時に答えることはできないのではないだろうか。

外国人向けの辞書では、単位の発音に関する活用表を載せるのは量的に莫大であり無理と考えるが、フランス語辞書の名詞には必ず男性名詞・女性名詞の区別を記載するように、日本語も国際語として発展するには、辞書に

例: テレビ(terebi)【名詞】【単位:台】

などと必ず単位を記載するのが親切ではないかと考える。

言語が複雑であることを肯定的に捉えれば「歴史・文化・伝統の豊かさ」であり、否定的に捉えれば「国際的言語として失格」、

単純さを肯定的に捉えれば「ユニバーサルで便利」であり、否定的に捉えれば「文化的重みがなく、軽々しい」。

ただ、フランスではこの問題を鼻にもかけておらず、むしろ、日本人が必死で擁護している様子を面白がっているようである。

なお、フランス人は馬鹿にするが、外国人にとってはベルギー式にしてもらった方が有難いことは有難い。2000年代に入り楽になったが、1980~90年代の年号を瞬時に聞き取るのは苦労した。

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